きょうは、ジャカルタの役所「航空局」に出向いて学科試験を受ける。
▼航空法
▼セスナC172タイプレーティング
▼英語
この三科目だ。
インドネシアの航空法なんて勉強したっけ?
不安が渦巻く。

こちらで初めての朝食。
きのうは身体検査だったから朝食もとらなかったのだ。

庭のプールを眺めながら、ゆったりした気持ちで食事。
よいではないか。

ここが今回のお宿、<HOTEL IBIS JAKARTA SLIPI>。
地上17階建て、338室あるという。
slipiというのはこのあたりの地名である。
すぐ前を高速道路も走っている。
滞在中は、基本的にこのホテルと空港などの往復で、
外に出て食事をするとか、遊びに行くとか、観光するとか、
まずないと思った方がいい。
ただ、日曜日は訓練がないとも言うし、そうなると買い物にでも行けるだろうか。
迎えの車に乗り込み、航空局へ。
ビルの前で降ろされ、ドライバーさんは車を置きにどこかへ行ってしまった。
しばし待つ。
ジャカルタでは、道ばたに座り込んだり立ったりしている人をよく見かける。
何をしているんだろう、と、不思議に思う。
ときにはお菓子やミネラルウォーターを売る人もいるが、
何をするでもなく、ただただ、じっとしている人がとても多いのだ。

この人物は、目の前を通る車に向かってOKサインを出している。
謎だ、何をしているんだろう…。
いったいどんな日々を送っているのだろう。
答えは出ない。
ビルの22階にあがり、航空局のオフィスへ。
パイロットの格好をした人の姿もちらほら。
本棚にはマニュアルみたいな分厚いファイルがたくさんある。
大部屋の片隅の席に座れと言われる。
どうやらここで試験をやるらしい。

だってほら、普通のオフィスだよ?
やがて、問題と解答用紙と、何やら書類が目の前に置かれた。
言われるままに必要事項を記入。
制服を着た係官の女性は"Good Luck!"と言ってにっこり笑い、
あろうことか、どこかへ行ってしまった。
問題はすべて四択で、設問もすべて英語だ。
制限時間60分と書いてあるが、誰も計っていない。
それどころか、終わったら次の科目をやってね、というのだ。
では全部で3時間かというと、それすらも分からない。
誰も監督していない試験。
まさに放置プレイ。
これでよいのか。
しかも、問題にだって不備がある。
綴りのミスも見つけたし、三人称単数現在のSが抜けているところもあった。
それより何より、選択肢が重複しているものまで!!
これ一応国家試験だよな。
それにしては超適当。
きょう最大の難敵はインドネシアの航空法。
こんなの誰も何も教えてくれなかったが、どうすればよいのか。
問題を見てみると、世界共通のルールに関する問いがほとんどだから、
それは私にも解けるけれど、
●●FIR(飛行情報区)にはどの州が含まれるか、なんてお手上げだ。
手応えも達成感もないまま、次の科目へ。
タイプレーティングは主要諸元や限界事項、非常操作などを問うもので
出来としてはまずまず。
一方、英語は中学高校程度のものだからほぼ完璧だろう。

それにしても、いったいこの国は役所までこんな調子で大丈夫なのだろうか。
いくつもの疑問を残したまま、航空局をあとにする。

昼間なのに、外は大雨。
ジャカルタ中心部を抜けて、ハリム空港へ。
まずは腹ごしらえ。
事務所の向かいにある食堂で、スパイシーな地元料理を食べることに。

何という料理か知らないが、辛くてうまい。
豆腐や肉などの総菜を自分で選んでご飯の上にのせて食べるのだ。

事務所には、グナルジョさんという人物がよく遊びに来る(中央)。
飛行時間3万時間という、いまではありえない経験の持ち主だ。
青年時代を日本で過ごしたので日本語も話す。
昔、全日空でYS-11のパイロットをしていたそうだ。
中野に住んでいたとか、早稲田の外国人向けの日本語クラスにいたとか、
懐かしそうに色々話してくれた。

空き時間は空港内を散策。
ターミナルの片隅に、控えめに掲げられていたハリム空港の看板。
このほか、航空管制の授業を受けた。
現役管制官が講師としてやってきて、色々教えてくれるのだ。
インドネシアでは公務員の副業も認められているのだとか。
ほかのスタッフによると、訓練生一人いくら、という謝礼が出ている模様。
ただ、この管制官氏の英語がくせもので、
訛りがひどく、何を言っているのか分かるまでに少々の慣れが必要。

夕食はホテルのレストランで Buntut Tuturuga をいただく。
牛テールをカレー的なスープで煮込んだもの。
うまいうまい。
私を出迎えてくれた日本人青年のFさんが帰ってしまったので、
きょうから食事は一人なのだなぁ。